数年前に100年安心年金と言う説明の下に制度の改定があった。が、今は誰もそんなことは信用していないし、政府も又、再度改定の必要性を認めている。何故100年安心では無くなったのか、理由は明白である。つまり、あの計画は100年安心になる様に利率(数%)や、賃金上昇率や、出生率などを設定していたのである。このことは、仕事(年金業務)を維持するためにあの計画を作った役人の悪知恵に乗せられた、政治家の無能さを証明している。
年金問題の引き起こす最悪の事態を後に述べるが、その前に年金問題の現状を整理しておきたい。
まず初歩的な誤りを指摘する。年金問題を話す場合に政治家や評論家は、子供の数を増やさなければならないとか、経済成長が必要だとかの話に持って行くが、そんなことが出来れば年金問題など発生しない訳で、年金問題とはあくまで現状のままで進んだらどうするのか、を検討することである。実際に子供の数は如何なる対策を打とうが、大きく増加することは無いだろう。また経済成長について、現場での経験から言えば、技術者の数が減り、質が低下する中で、今後大きく経済成長出来ることは考え難い。
当然ながら基本的問題は少子高齢化にあり、将来は一人の若者(労働年齢)が一人の老人を養うことになる、と言う様なことが一般にも認知されるようになった。例えば、今は年間に約100万人近くが生まれているが、以前は年に200万人以上が生まれていた。団塊の世代には300万人近くが生まれていた。このことからも将来一人の若者(労働年齢)が一人以上の老人を養うことが容易に類推出来る。
しかし、保険料や税金を支払っている人は、若者(労働年齢)の約3割程度にしかならないらしいが、養われる人は全員である。このことは若者(労働年齢)が老人より多いときは影響は少ないが、若者(労働年齢)が少なくなった途端に影響が大きくなるはずだ。つまり、今世間で言われているよりは遥かに年金の現実は厳しいのである。
一時的な解決策としてはハイパーインフレがあるが、これはあくまで老人に一時の我慢を強いる、一時しのぎに過ぎず恒久対策にはならないない。
制度改定で対応出来る様に政府はいっているが、少々破綻時期を遅らすことは出来ても、少子高齢化等を止めない限り、真の解決が出来ないことは明らかである。さらに労働人口の減少を補う様な、高い経済成長は不可能である。従って如何なる改定の方法(年金の一元化、年金削減、受給年齢引き上げ、保険料引き上げ)も、システムが益々複雑になり、年金業務が増大し、今までの経験では、更にミスが増大するに過ぎない。
そして最後には最悪の事態に至る。これは従来言われている様に貰える年金が段々減少すると云うような問題ではない。全く貰えなくなった場合は、沢山年金保険料を支払った人が大きな損をして、年金保険料を払っていなかった人には損がない、という問題である。万が一このようなことが起きれば、国家の存在自体が怪しくなる。
残された道、つまり問題解決方法は、早く現在のシステムを廃棄すること、そして年金保険料を支払った人を救済することしかない。
逆にこの方法は至って簡単であり、これ以外に簡単な解決方法は無い。すなわち今まで支払った保険料を全員に国債で一括返却するだけのことだ。事務処理は年金の一元化や保険料引き上げなどよりも明らかに容易な方法である。
その後の議論は不要であろう。税金による最低保障年金だけにすることは、誰の目にも明らかである。このようにすればコンピューターだけで業務が可能になり、年金業務も社会保険庁も不要になる。
現在年金改革が進まないのは、その前提となる既に払い込んだ保険料の一括返却が議論に上らないからである。早急に一括返却の議論を進めなければならない。
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